【米MLB】ピッチクロックってなに?ピッチクロック導入で野球がどう変わったのかを解説!

野球は他のスポーツと比べてプレイしていない時間が長すぎるという問題がありました。

長時間の試合はファンにとっても、選手にとっても疲れが溜まりやすく、集中力を欠く原因にもなります。

そこで登場したのが、2023年から導入された「ピッチクロック(Pitch Clock)」という新しいルールです。

今回は、このピッチクロックがどのようなルールで、導入によって野球がどう変わったのかについて解説します。

ピッチクロックとは?

ピッチクロックとは、投手が投球を行うまでの時間に制限を設けるための時計のことです。

これは、試合をスムーズに進め、無駄な時間を減らすために導入されました。

具体的には、投手がセットポジションに入ってから投球を行うまでの時間を計測し、一定の時間内に投げなければなりません。

ピッチクロックのルールは以下の通りです。

  • 投手は、走者がいない場合は15秒走者がいる場合は18秒以内に投球動作に入らなければならない。
  • 打者は、制限時間の8秒前までに打席に入り、打つ準備を完了しなければならない。
  • 走者がいる時に、牽制や投球板を外した場合、制限時間はリセットされる。

投手が違反をしてしまった場合は自動的に1ボールが追加され、打者が違反した場合は自動的に1ストライクが追加される仕組みとなっています。

ピッチクロックが導入された理由

ピッチクロックの導入は、野球の試合が長時間化し、ファンや選手が疲れてしまうという問題に対処するためです。

特にメジャーリーグでは、試合が3時間を超えることがよくあり、視聴者やスタジアムに足を運んでいる観客にとっては大きな負担となっていました。

また、投手の投球間隔が長くなることで、リズムが崩れ、試合の流れが悪くなることもあります。

ピッチクロックは、こうした問題に対応するために試みられたルールです。

ピッチクロックで野球はどう変わった?

  • 試合時間が短縮された
  • 盗塁が増えた
  • ピッチャーへの負担の増大

試合時間が短縮された

ピッチクロック導入によって、最も注目される効果は、試合時間の短縮です。

実際に、ピッチクロックを導入した2023年のメジャーリーグでは、試合時間が平均で約26分短縮されました。

これにより、観客はより短い時間で試合を楽しめるようになり、選手も体力を温存しやすくなります。

盗塁が増えた

ピッチクロックの導入とともに、MLBで導入された新ルールが、けん制回数の制限です。

投手のけん制球やプレートを外す回数については、以下のようにルールが定められています。

  • 走者へのけん制などで1打席の間で2回までプレートを外すことができる
  • プレートを外した場合は、ピッチクロックのタイマーがリセットされる
  • 3回目のけん制球で走者をアウトにできない場合は、ボーク(ランナーが進塁)になる

さらに、「ベースサイズ拡大(本塁以外がおよそ7センチ拡大)」も相まって、MLBでは盗塁数が大幅に増加しています。

ピッチャーへの負担の増大

投げる球種を決める時に、通常キャッチャーからサインが出されて、ピッチャーが頷くもしくは首を横に振って違う球種を要求するといったシーンが以前はありました。

しかし、時間制限が設けられたことによって、投手と捕手がサイン交換を行う時間的な余裕がなくなりました。

そのためメジャーリーグでは、「ピッチコム(PitchCom)」という電子機器を使用して、投手と捕手がサイン交換を行うことが一般的です。

時間をかけられなくなったことで、精神的に落ち着かせる時間がなくなり、投球の精度やリズムの乱し、パフォーマンスに影響を与えている場面もみられます。

ピッチクロックの導入により、ピッチャーへの負担が増加したという点も見逃せないポイントとなります。

まとめ

ピッチクロックは、試合のスピードを向上させ、ファンや選手にとってより快適な環境を提供することを目的としています。

試合時間の短縮やテンポの向上、集中力の向上といった効果が期待される一方で、ピッチャーへの負担の増加・盗塁の増加など新たな課題も出てきているのが実情です。

とはいえ、この新しいルールが、野球の楽しさをさらに引き出し、今後の試合にどのような影響を与えるのかが楽しみです。

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